カイロプラクティックコラム

カイロプラクティックとは?定義や特徴、整体との違いなどを解説!

カイロプラクティックとは、アメリカ発祥の民間療法・代替療法の一種です。主に骨に着目し、骨格のズレや歪みに対して手技によって働きかけ、身体状態を改善に導く施術をさします。こうした特徴から日本では整体と同一視される傾向にありますが、歴史も含めて明確に異なっています。今回は、カイロプラクティックとは何なのか、その特徴や日本における立ち位置、整体との違いについて解説します。

 

1.「カイロプラクティック」の定義や特徴とは?

近年特に巷でよく耳にするようになった「カイロプラクティック」。それが一体何なのか、具体的にご存知でしょうか?

 

カイロプラクティックとは、アメリカ発祥の民間療法、代替療法です。「カイロ」はギリシャ語で「手」を、「プラクティック」は英語で「技術」「実践する人」を意味する造語となっています。

 

カイロプラクティックでは、脊椎や頚椎など、神経が多く通る骨格や脊髄の異常などを病気と捉え、そうした原因が生理機能や神経のバランスの乱れを引き起こすという考え方を重要視しています。

 

カイロプラクティックは、発祥こそ西洋ですが、理論や考え方は非常に東洋医学的です。特定の問題のある箇所に直接働きかけるのではなく、その周辺にある骨格や、大本の神経が通っている機関に対して手技による施術を実施することによって、間接的に疾患を改善していくというアプローチを取っています。

 

こうした考えを基軸に置き、脊椎・頚椎等の骨格のズレや歪みを矯正し、適正な位置に戻してあげることで身体の自然治癒力に働きかけるのがカイロプラクティックの特徴です。こうしたアプローチによって身体機能を改善することを主目的としています。

 

2.カイロプラクティックと整体の違いとは?

日本ではよく「整体」と「カイロプラクティック」が混同される傾向にあります。確かに看板等に「カイロプラクティック整体」と書かれているのも良く見かけますので、「一緒じゃないの?」と思う人も多いでしょう。

 

カイロプラクティックと整体とは、「骨に働きかける民間療法である」ことや、「民間資格しかなく、法整備がしっかりしておらず資格取得が不要」という点では共通していますが、実際の施術の考え方や方法は明確に異なっています。それでは具体的な違いを以下に見て行きましょう。

 

カイロプラクティックの特徴

・骨の矯正を手技によって行い、身体機能の改善を最終目的とする

・アメリカのカイロプラクティック理論が元になっている

・骨のズレや歪みによって神経が圧迫されている症状を取り除く施術を行う

・神経の圧迫を解くことで自然治癒力を高める

 

整体の特徴

・骨の矯正を手技によって行い、身体機能の改善を最終目的とする

・中国整体が元になっている

・骨のズレや歪みによって痛みやコリが生まれている筋肉(骨格筋)をほぐす施術を行う

・気の流れや血行をよくすることで自然治癒力を高める

 

こうして一覧にしてみると、一緒なのは骨の矯正を手技により行うこと、身体機能の改善を最終目的にしていること、自然治癒力を高めることくらいで、他は全く違うことがわかります。また、整体に比べてカイロプラクティックの方が「治療期間は長く、1回の治療の時間は短い」ことが多いようです。

 

3.カイロプラクティックの歴史、日本との関係とは?

カイロプラクティックは1895年にカナダ出身のアメリカ人、ダニエル・デビット・パーマーによって考案されました。日本には、パーマーが設立したパーマー・スクール・オフ・カイロプラクティックを卒業した河口三郎という日本人によって、1916年に日本へ伝えられたと言われています。

 

日本がまだ大正時代であった1918年に、河口の働きかけによって日本初のカイロプラクティック規制が設けられましたが、神奈川県令として発令されたこの規制は戦後、1947年にGHQによって廃止されました。その後1960年の最高裁判決によって「人体に危害を及ぼす恐れがない場合」に限ってカイロプラクティックの開業が自由になりました。

 

1980年代後半になるとカイロプラクティックの事故に対し有罪判決が出されたことも相まって、カイロプラクティックに対する主にマスコミからの風当たりが強くなって行きます。そのまま公的資格もしっかりとした法整備もないまま無秩序な状態が続いていましたが、2014年に「日本カイロプラクティック登録機構(JCR)」が設立され、日本初のカイロプラクター登録制度が始まりました。

 

4.海外では専門職化されているが、日本では法整備が進んでいない

カイロプラクティックはアメリカを中心として欧米諸国では大学教育を修了した者でないと施術ができないよう制度が整っており、教育制度の充実とともに職業としての認知や技術的な専門性の保証などがしっかりと進んでいます。

 

こうした国々では法律上、カイロプラクティックの施術者は「カイロプラクター」として、主に筋骨格の障害や不調を取り扱う脊椎ヘルスケアという保健医療を行う専門職として扱われています。発祥であるアメリカを含め、カナダ、オーストラリア、EU諸国など世界において約40カ国もの国家がカイロプラクターを法制化しています。

 

国際機関もあり、1997年にWHOが認可したNGO団体「世界カイロプラクティック連合(WFC)」が代表的です。世界でおよそ80カ国がこの連合に加盟しており、日本も加盟国です。

 

日本にもWFC加盟団体である「日本カイロプラクターズ協会(JAC)」や、前述のJCRなどの団体があるにも関わらず、いまだにきちんとした法制化が進んでおらず、未熟な自称カイロプラクターのいい加減な施術による事故が絶えません。

 

5.まとめ

以上、カイロプラクティックの定義や特徴、整体との違いから、日本のカイロプラクティックの問題点に至るまで一通り説明してきました。日本においてはまだまだ体系化・法制化が進んでいないカイロプラクティックですが、整体と混同されつつも普及は進んでいるという、ある種危険を孕んだ状態となっています。

 

日本においては頚椎アジャストメントにおける事故例の報告が相次ぎ、早急な法制化、公的資格化が急務となっています。公的資格化というのは職務にあたる者として当然求められるべき標準的な最低限のレベルを規定することにも繋がり、未熟な素人が参入できないようにするためのリスク回避の手段でもあります。

 

海外では専門職としてしっかりと認められているわけですから、正しくカイロプラクティックを学べば適切な施術が可能です。カイロプラクティック自体が悪と呼ばれるような事態を避けるためにも、2014年に始まった登録カイロプラクター制度を足がかりとして、できる限り早い法制化が求められています。

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